2013年夏期号 ▽ 都立高校入試について ▲

2013年 夏期号

都立高校入試について

熊倉幹男

(1) 共通問題について

自校作成校以外の高校では共通問題を使います。右の<表1>は過去6年の受験者平均点ですが、各教科間でばらつきはありますが、総合点は290点前後で毎年同じような平均点になっています。

都立高校の選抜方法は、5教科の入試を700点満点に、9教科の内申を300点満点に換算し、合計1000点満点で合格者を決めます。<表1>にありますように平均点はほぼ毎年同じですから、各高校の合格基準点は予想から大きくずれることはありません。ですから、志望校に合格するには何点取ればよいか正確に計算することができます。例えば、内申40の男子が竹早高校を受ける場合、合格基準は790点として、

となり、500点満点で397点、1教科あたり約80点を取れば良いとわかります。

また内申1点がどれくらいの重みがあるかというと、

ですから、当日の500点満点の試験4点分、つまり設問1問分にあたります。内申1点上がればそれだけ有利だ、と考えても良いですし、もし内申が1点下がったら設問1問で挽回できるぞ、と考えても良いですし、要するに自分の都合の良い方に解釈しましょう。

 

(2) 自校作成問題→グループ合同作成問題について

これまで15校が英数国3教科を独自で作成してきましたが、来年度より右の<表2>にありますように3つのグループに分けてグループ毎で作成することになりました。都教委によりますと、その期待される効果として、

(1) 各校で選ばれた問題作成に関して高い能力をもつ教員が集まって共同作成することにより、学力検査問題の質の向上が期待できる。

(2) 各校における結果分析に関するノウハウを持ち寄り、分析の手法を改善することで結果分析の精度が向上し、入学時の生徒の学力を一層的確に把握することが期待できる。

(3) 作問及び教科指導に関する優れた実践等の情報の共有化を通して教員の教科専門力の向上を図るとともに、その情報を所属校に還元することにより国語、数学、英語の教科指導の充実が期待できる。

(4) グループ共通の問題にすることにより、中学生が各グループ内の高校を選択しやすくなる。

とありますが、入試問題を作る現場の先生の負担が大きすぎたのが一番の理由と考えられます。

作成体制については、

・グループごとに作成委員会を設置する。

・グループごとに、作成委員長、副委員長、教科部会長(国語、数学、英語)の校長を都教委が指名する。

・各校の校長は、所属校の教員から、各教科の作成委員を指名する。

となりますので、どこかの高校の先生が中心になって作成するということになります。また、共通問題ということなのですが、完全な共通問題ではなく「一部、学校独自問題と差し替えるなど弾力化を認める」ということなので、日比谷などは標準的な問題を独特な難問に差し替えるとか、他の高校でその逆をするとかが考えられます。

受験生は過去問をどのように勉強していけば良いかという問題が起こります。今までなら自分が受験する高校の過去問だけですんだのですが、他の高校の問題も経験しておかなければならないのか、ということです。共通問題であることと、弾力化とをあわせて考えますと、まずは志望校の過去問を中心に練習しましょう。その上でグループ内の他の高校の標準的な問題の練習を積んでおく必要があります。志望校が決定しましたら、各教科の担当に相談してください。