2007年第Ⅱ期号 物理と数学の接点(等加速度直線運動を通して)

2007年 第Ⅱ期号

 

 

▲▽ 物理と数学の接点(等加速度直線運動を通して) ▽▲

 

先日高3の物理の講義の中で、ちょっと驚きの体験をしました。

物理Ⅰの鉛直投げ下ろしの復習をしていたときのことです。高校ではじめて物理に触れる皆さんが、真っ先に覚えなければいけない変位・速度・加速度の関係についての3式

① 変位;        (は初速度,は加速度,tは時間)

② 速度;

③ 加速度;

がありますが、皆さんはこの3式を見て何を思いますか。

何を今さらと思うかもしれませんが、この3式の関係を数学的に把握しておくことは、今後の物理Ⅱと数Ⅲの学習において極めて重要なことです。

答は、「①式をtで微分すると②式となり、これをさらにtで微分すると③式となる」です。

私自身は物理を学習するとき数学の微分法の現実への適応場面としてこの関係を学習したものですが、生徒は誰一人として知らず正直「エーーー」って感じでした。

理由は簡単で、速度は小学生でも知っているですが、運動している物体の速度はある瞬間における速度ですから…(*)となる訳です。速度と加速度の関係もですから、…(*)となるわけです。

物理と数学の進歩はお互いに影響を及ぼし合いながら今日に至っているわけで、思考の対象にしている事柄は重複する部分が多々存在します。物理における公式の成立を数学的な観点から把握していくことは公式を覚える上でも、数学の学習でのリアリティ確保の上でも非常に大切であると考えます。私はこれからも数学と物理の架け橋を考えながら講義を進めていきたいと考えています。

さて、講義にもどりますが、物理Ⅱでは、振り子の動きなどに関する単振動の変位の式

Aは振幅,は角速度,tは時間)…(ⅰ)

が出てきます。では、(*)のようにt秒後の速度、加速度の式を求められますか。

やはりtで微分して

速度;

加速度;

となりますが、数Ⅲ微分法の「合成関数の微分」「三角関数の微分」の知識がないとこれまた「エーーー」って感じでしょう。館山で高2から数Ⅲの学習を行っている人たちはここで微分法の有り難さを実感してくれましたが、皆さんはどうでしょうか。              (松山)