2011年夏期号 ▲▽ 23年度都立高校入試について ▽▲

2011年 夏期号

▲▽ 23年度都立高校入試について ▽▲

熊倉幹男

(1) 一般入試

23年度の都立一般入試の受験者は40,395人でそのうち不合格者が11,523人となり、2年連続で1万人を超えました。実質倍率は1.40倍となり、4年連続1.4倍を超え厳しい状況は続いています。しかし、ここ数年で受験倍率が一定になってきましたので、合格可能性は見通しのきくものとなっています。5教科の入試得点を700点に、内申点を300点に換算し、計1000点満点中の上位から合格する明確な選抜基準ですので、会場テスト等の結果を見ることによって合格可能性がよくわかるようになっています。

右の表に館山塾の塾生がおもに受験する都立高校を並べました。ほとんど都立全体の実質倍率の1.4倍を超えていますね。それだけ都内全域から受験生が集中する、魅力のある高校が多いということです。これは気を引き締めてかからなきゃはじき出されそうだということが分かったならば、学校の成績をしっかり取って、学力もさらに付けていくよう頑張っていきましょう。

一般入試 推薦入試
男子 女子 男子
日比谷 2.03 1.64 3.3
戸山 2.04 1.57 4.33
西 1.42 1.25 2.87
青山 1.75 1.84 5.64
新宿 2.08 4.53
三田 2.3 2.04 4.53
竹早 1.56 1.95 3.52
北園 1.27 1.41 2.15
文京 1.54 1.73 3.92

 

(2) 推薦入試

都立第一志望者の約6割がチャレンジします。23年度の倍率は普通科男子で3.09倍、女子3.91倍です。これでもここ数年下がって来ているのです。内申点が低いとほとんど合格の可能性がないので、推薦は避けて一般入試だけにする受験者が増えてきたためです。それでも青山の女子はすごいですね、9.38倍です。9人に1人しか受からないのですから、厳しい受験です。

推薦入試は面接と内申点だけで合否を決定する高校が多かったのですが、教育委員会で「学力試験がなく一般入試より楽に入学できるので…」という提議があり、23年度の推薦入試において以下の点に留意するようにという指示がありました。一部抜粋です。

「推薦に基づく選抜の主旨を踏まえ、面接に小論文又は作文、実技検査をしたり、…」

ということで、今年度から小論文または作文を実施することになった高校が、

日比谷、小山台、青山、両国、富士、新宿

をはじめ10校あり、全部で38校が小論文・作文を実施したことになります。(上記以外でおもだった実施校は、戸山、八王子東、立川、武蔵、国立、国際、西、北園、白鴎、国分寺です。)

調査書点 面接点 小論作文点
日比谷 450 170 100
戸山 450 80 240
西 540 120 240
青山 600 150 300
新宿 720 180 180

上の表のように調査書点の配点が大きいですが、新宿高校の先生の話によりますと、

「調査書点ではあまり差がつかないですね。面接もみなさんよく訓練されていますし、差がつくのは配点180点の作文です。今年はオール5の人で落ちた人が10名います。」

青山高校の先生も同様のことをおっしゃっていました。

「差が付いたのは小論文でした。合格基準ですか?あまり言いたくないですが、8割は超えないとい

けないですね。」

ということですから、推薦入試も内申だけだはなく、小論文・作文に対応する能力を求められるようになっています。推薦入試の受験を考えている人はしっかり対策をたてましょう。

(3) 小論文の問題例

青山高校が見本として作成し、教育委員会に提出、承認された問題です。社会的な問題と理科的な問

題の2問あり制限時間は50分です。この問題はそのうち理科的な問題です。

 

 次の文章を読み、次ページの問に答えなさい。

東京の夏は30年前と比べると暑くなり、熱帯夜が増えています(グラフ1

図1

 

 

グラフ2からわかるように地球全体の温度変化よりも、東京の気温上昇の傾向は急激です。都市部とその周辺部を比較すると都市部の平均気温が高くなることは世界の他の都市でも多くみられる現象です。束京では100年間に年間平均気温が3℃上昇したという報告もあります。

東京で熱帯夜が増えた原因にはいろいろなものが考えられますが、その1つに都市化があげられています。

そこで高校1年生のA君は、次のような実験をして、熱帯夜について考えてみました。次の図のような50cm×50cmの芝生とコンクリートを屋上にならべて直射日光下に置き、表面と内部の温度の変化を調べました。温度計は、次図の点で示される位置に設置しました。

図2

 

次のグラフ3は、8月下旬の晴れた日に24時間測定したときの結果です。

図3

(1)A君は熱帯夜について、この実験で何を調べようとしていたのかを書きなさい。

(2)また、この実験結果から、どのようなことがいえるのかを書きなさい。なお、解答は、解答欄におさまるように書きなさい。

 

以上です。解答欄は(1)が1行、(2)が5~6行程度です。内容はわかりやすいものですが、答え方が難しいのではないでしょうか。グラフ3から何を読みとるかが一番のポイントです。ぜひ、一生懸命に取り組んでみて下さい。

レポート用紙に解答して提出頂ければ、採点、添削の上返却します。中学生だけでなく、高校生、または保護者の方も歓迎します。この機会にぜひ入試問題を経験してみましょう。提出期限は特にありません。