2012年第Ⅳ期号 ▲▽ 高校入試情報 ▽▲ ― 25年度都立高校入試について ―

2012年 第Ⅳ期号

 

▲▽ 高校入試情報 ▽▲

― 25年度都立高校入試について ―

熊倉幹男

(1) 入試倍率について

中3の皆さんが受験する25年度都立高校の入試では、都内の中3生60名増加に対して定員は160名増加となりますので、昨年より若干入りやすいと言えます。ただ、気を付けなければならないことがあります。富士高と大泉高は来年度から附属中学からの進学があるため、それぞれ従来5学級だったのが2学級に減り募集定員が大幅に減ります。そのため、これらの高校を受験するレベルの生徒の多くは周辺の高校に流れる事が考えられます。三田高、北園高、小松川高、城東高などがそうですが、これらの高校の受験を考えている人は入試倍率が高くなる可能性があるので注意して下さい。

(2) 数学・理科の移行措置内容の出題について

数学

(1年範囲) 標本調査、球の体積・表面積(2年範囲) 円周角定理の逆(3年範囲) 解の公式、相似な図形の面積比

理科

(1年範囲) 浮力、地層の変形(2年範囲) 台風、日本の天気、シダ・コケ植物、熱量と水の温度上昇(3年範囲) 原子の構造、水溶液とイオン、酸・アルカリとイオン、
滑車・仕事、月、遺伝、分力

中学校では24年度から新学習指導要領が実施されますが、22年度、23年度は移行措置として、新指導要領の内容を先行学習してきました。中学校によって対応がまちまちですから入試での出題は避けるべきと思いますが、22年度から24年度入試で千葉県、埼玉県は配点の2割から3割以上の出題をしてきました。東京都の場合は出題しないか、または出題しても1問から2問でしたので、受験生に混乱はありませんでした。24年度からは新指導要領の正式実施ですから、25年度入試からは東京都も積極的に出題するでしょう。

数学・理科の新指導要領の改訂内容をあげておきますので、各自確認してしっかり準備しておきましょう。

都立共通問題の過去5年の平均点

国語

数学

英語

社会

理科

5科計

24年度

69.5

57.2

58.1

57.7

51.4

293.9

23年度

65.9

59.8

58.9

58.6

55.2

298.4

22年度

60.9

55.6

49.9

53.2

66.9

286.5

21年度

69.0

47.3

54.2

62.3

59.5

292.3

20年度

63.8

58.8

50.8

60.6

61.8

295.8

(3) 一般入試の難易度

共通問題、過去5年間の5教科および総合点の平均点をあげました。総合点はすべて290点前後になっています。科目間で多少のバラツキはあるものの、毎年同じような平均点が並んでいて、これから受験する生徒にとっては見通しの立てやすい試験となっています。ですから、過去問を練習して、各自の弱点を把握し対策を立てることは、とても効果のある受験勉強です。

都立自校作成校の過去5年の受験者平均点

日比谷

国語

数学

英語

戸山

国語

数学

英語

24年度

65

56

62

24年度

54

37

72

23年度

71

64

64

23年度

65

55

70

22年度

63

45

53

22年度

75

52

60

21年度

63

50

64

21年度

68

57

57

20年度

60

51

68

20年度

63

36

63

青山

国語

数学

英語

新宿

国語

数学

英語

24年度

55

58

60

24年度

64

45

60

23年度

60

52

62

23年度

64

49

79

22年度

61

52

70

22年度

59

53

77

21年度

62

48

59

21年度

59

48

62

20年度

70

57

61

20年度

58

54

55

次の表は自校作成校の3教科の平均点です。優秀な受験生が集まってこの平均点ですから、とても難しいことがわかると思います。入試倍率が2倍前後であれば、平均点が合格基準点になると考えて良いでしょう。倍率が2倍以上であれば、合格基準点は平均点より上になります。

自校作成校を受験する際に注意する点を2つ挙げておきます。1つは記述式の解答についてです。正解に至らなくてもある程度点数がもらえるようですから、途中であきらめたりせず最後までしっかり答案を仕上げましょう。もう1つは数学についてです。表を見ますと低い平均点が並んでいますが、平均が50点を切るような試験では受験生はまったく手が付かない、お先真っ暗という心境になるものです。しかし、自分が苦しんでいるときは周りも苦しんでいるのですから、そこであきらめず、最後の1分1秒まで死力を振り絞って闘ってください。きっと明るい光が見えてくるはずです。出題者はそれを狙っているのです。

では、過去問の練習をしっかりしましょう。